鳥取県の民泊許可ガイド。白壁と重厚な瓦屋根の家、手前に無地の行灯

鳥取県 版

鳥取県の民泊許可 行政書士への代行依頼と届出の始め方・180日ルール・費用

鳥取県で民泊を始めるための入口をまとめました。鳥取県では届出などの窓口が 2 通りに分かれています。このページでは、三つの道の選び方から、鳥取県の届出先・条例による区域と期間の制限・費用・届出の流れ、そして行政書士への代行の頼み方までを、公式資料にあたって整理しています。

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制度の入口

民泊を始める三つの道——届出・許可・認定

「民泊許可」と呼ばれるものは、三つの別の制度

民泊を始める道は三つあります。住宅宿泊事業(民泊新法)は届出旅館業の簡易宿所営業は許可特区民泊は認定——手続の名前が三つとも違います。世の中で「民泊許可」と一括りに呼ばれているのは通称で、このサイトもその通称を看板にしていますが、中身は別物です。

一番よく使われるのが住宅宿泊事業です。都道府県知事(市や区が受け付ける地域ではその長)に届け出れば営めます。ただし人を宿泊させられる日数は1年間で180日までと法律が決めています。この180日は、事業をやめるまでずっと付いてくる上限です。

住宅宿泊事業法 第2条(定義——「住宅」と「住宅宿泊事業」・年間180日)(抜粋)

(定義)

第二条 この法律において「住宅」とは、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当する家屋をいう。 一 当該家屋内に台所、浴室、便所、洗面設備その他の当該家屋を生活の本拠として使用するために必要なものとして国土交通省令・厚生労働省令で定める設備が設けられていること。 二 現に人の生活の本拠として使用されている家屋、従前の入居者の賃貸借の期間の満了後新たな入居者の募集が行われている家屋その他の家屋であって、人の居住の用に供されていると認められるものとして国土交通省令・厚生労働省令で定めるものに該当すること。

3 この法律において「住宅宿泊事業」とは、旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号)第三条の二第一項に規定する営業者以外の者が宿泊料を受けて住宅に人を宿泊させる事業であって、人を宿泊させる日数として国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより算定した日数が一年間で百八十日を超えないものをいう。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)(https://laws.e-gov.go.jp/law/429AC0000000065)/2026-08-29 取得時点
根拠法令等:住宅宿泊事業法(平成二十九年法律第六十五号) 第2条

どの道を選ぶか——判断の軸は四つ

選び方は、次の四つで大方決まります。

迷ったときは、まず自治体の窓口に物件の場所を伝えて相談するのが早道です鳥取県のどこに出すかは二章をご覧ください。

旅館業の簡易宿所という道

日数の上限なく営みたいなら、旅館業法の許可を取ります。民泊で使われるのは簡易宿所営業で、客室の延床面積が33平方メートル以上(宿泊者を10人未満とする場合は1人あたり3.3平方メートル)という基準があります。客室の数を何室以上とする決まりは、現行の政令には置かれていません。

許可には自治体の条例で定めた手数料がかかります(五章)。届出と違って審査があり、構造設備が基準に合っているかを見られます。

旅館業法 第2条(定義——旅館・ホテル営業/簡易宿所営業/宿泊)(抜粋)

第二条 この法律で「旅館業」とは、旅館・ホテル営業、簡易宿所営業及び下宿営業をいう。

2 この法律で「旅館・ホテル営業」とは、施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のものをいう。

3 この法律で「簡易宿所営業」とは、宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、下宿営業以外のものをいう。

5 この法律で「宿泊」とは、寝具を使用して前各項の施設を利用することをいう。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)(https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000138)/2026-08-29 取得時点
根拠法令等:旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号) 第2条

旅館業法 第3条(旅館業の許可)(抜粋)

第三条 旅館業を営もうとする者は、都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあつては、市長又は区長。第四項を除き、以下同じ。)の許可を受けなければならない。 ただし、旅館・ホテル営業又は簡易宿所営業の許可を受けた者が、当該施設において下宿営業を営もうとする場合は、この限りでない。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)(https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000138)/2026-08-29 取得時点
根拠法令等:旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号) 第3条

旅館業法施行令 第1条(構造設備の基準——旅館・ホテル営業/簡易宿所営業)(抜粋)

(構造設備の基準)

第一条 旅館業法(以下「法」という。)第三条第二項の規定による旅館・ホテル営業の施設の構造設備の基準は、次のとおりとする。 一 一客室の床面積は、七平方メートル(寝台を置く客室にあつては、九平方メートル)以上であること。 二 宿泊しようとする者との面接に適する玄関帳場その他当該者の確認を適切に行うための設備として厚生労働省令で定める基準に適合するものを有すること。 三 適当な換気、採光、照明、防湿及び排水の設備を有すること。 四 当該施設に近接して公衆浴場がある等入浴に支障を来さないと認められる場合を除き、宿泊者の需要を満たすことができる適当な規模の入浴設備を有すること。 五 宿泊者の需要を満たすことができる適当な規模の洗面設備を有すること。 六 適当な数の便所を有すること。 七 その設置場所が法第三条第三項各号に掲げる施設の敷地(これらの用に供するものと決定した土地を含む。)の周囲おおむね百メートルの区域内にある場合には、当該施設から客室又は客の接待をして客に遊興若しくは飲食をさせるホール若しくは客に射幸心をそそるおそれがある遊技をさせるホールその他の設備の内部を見通すことを遮ることができる設備を有すること。 八 その他都道府県(保健所を設置する市又は特別区にあつては、市又は特別区。以下この条において同じ。)が条例で定める構造設備の基準に適合すること。

2 法第三条第二項の規定による簡易宿所営業の施設の構造設備の基準は、次のとおりとする。 一 客室の延床面積は、三十三平方メートル(法第三条第一項の許可の申請に当たつて宿泊者の数を十人未満とする場合には、三・三平方メートルに当該宿泊者の数を乗じて得た面積)以上であること。 二 階層式寝台を有する場合には、上段と下段の間隔は、おおむね一メートル以上であること。 三 適当な換気、採光、照明、防湿及び排水の設備を有すること。 四 当該施設に近接して公衆浴場がある等入浴に支障をきたさないと認められる場合を除き、宿泊者の需要を満たすことができる規模の入浴設備を有すること。 五 宿泊者の需要を満たすことができる適当な規模の洗面設備を有すること。 六 適当な数の便所を有すること。 七 その他都道府県が条例で定める構造設備の基準に適合すること。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)(https://laws.e-gov.go.jp/law/332CO0000000152)/2026-08-29 取得時点
根拠法令等:旅館業法施行令(昭和三十二年政令第百五十二号) 第1条

特区民泊は、区域が決まっている

特区民泊は、国家戦略特別区域法にもとづく特定認定です。日数の上限はありませんが、区域計画について内閣総理大臣の認定を受けた区域でしか使えません。使える自治体は限られています。

制度の中心だった大阪市は、令和8年5月29日に新規の受付を終えました。大阪府も一部の市を除いて受付を終えており、八尾市は令和7年11月28日に終えています。特区民泊を前提に物件を探す場合は、その自治体が今も受け付けているかを最初に確かめてください。

国家戦略特別区域法 第13条(外国人滞在施設経営事業の特定認定=特区民泊)(抜粋)

(旅館業法の特例)

第十三条 国家戦略特別区域会議が、第八条第二項第二号に規定する特定事業として、国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業(国家戦略特別区域において、外国人旅客の滞在に適した施設を賃貸借契約及びこれに付随する契約に基づき一定期間以上使用させるとともに当該施設の使用方法に関する外国語を用いた案内その他の外国人旅客の滞在に必要な役務を提供する事業(その一部が旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する旅館業に該当するものに限る。)として政令で定める要件に該当する事業をいう。以下この条及び別表の一の三の項において同じ。)を定めた区域計画について、第八条第八項の内閣総理大臣の認定(第九条第一項の変更の認定を含む。以下この項及び第十三項第二号において「内閣総理大臣認定」という。)を申請し、その内閣総理大臣認定を受けたときは、当該内閣総理大臣認定の日以後は、当該国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、その行おうとする事業が当該政令で定める要件に該当している旨の都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあっては、市長又は区長。以下この条において同じ。)の認定(以下この条において「特定認定」という。)を受けることができる。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)(https://laws.e-gov.go.jp/law/425AC0000000107)/2026-08-29 取得時点
根拠法令等:国家戦略特別区域法(平成二十五年法律第百七号) 第13条

鳥取県の届出先

鳥取県の届出先はどこか

鳥取県の届出先は、住所によって 2 通りに分かれます。鳥取県が所管する区域のほか、1 の市・区がそれぞれ自分のところで受け付けています。物件の所在地がどれに当たるかを先に確かめてください。

住宅宿泊事業法 第68条(保健所設置市等及びその長による事務の処理)(抜粋)

(保健所設置市等及びその長による住宅宿泊事業等関係行政事務の処理)

第六十八条 保健所設置市等及びその長は、当該保健所設置市等の区域内において、都道府県及び都道府県知事に代わって住宅宿泊事業等関係行政事務(第二章(第三条第七項を除く。)及び第三章の規定に基づく事務であって都道府県又は都道府県知事が処理することとされているものをいう。以下同じ。)を処理することができる。

2 保健所設置市等及びその長が前項の規定により住宅宿泊事業等関係行政事務を処理しようとするときは、当該保健所設置市等の長は、あらかじめ、これを処理することについて、都道府県知事と協議しなければならない。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)(https://laws.e-gov.go.jp/law/429AC0000000065)/2026-08-29 取得時点
根拠法令等:住宅宿泊事業法(平成二十九年法律第六十五号) 第68条

都道府県が所管

鳥取県 生活環境部 くらしの安心局 くらしの安心推進課

受け付ける区域:鳥取県中部・西部圏域(倉吉市・米子市ほか14 市町村)

電話:0857-26-7593(直通)

条例:住宅宿泊事業法 18 条に基づく区域・期間の制限条例はありません

事前予約:必要——届出に先立って、住宅の所在地を管轄する総合事務所へ「民泊事業事前確認申出書」を出し、総合事務所長の事前確認を受ける必要がある。

鳥取県 生活環境部 くらしの安心局 くらしの安心推進課管内の書類の提出先——住所で分かれます

鳥取県 生活環境部 くらしの安心局 くらしの安心推進課が所管する区域でも、実際に相談・届出を受け付ける窓口は住宅の所在地によって 2 か所に分かれます。自分の住宅がどこに当たるかを先に確かめてください。

倉吉市 三朝町 湯梨浜町 琴浦町 北栄町

中部総合事務所 環境建築局 環境・循環推進課
倉吉市東巌城町2
電話 0858-23-3279

米子市 境港市 日吉津村 大山町 南部町 伯耆町 日南町 日野町 江府町

西部総合事務所 環境建築局 環境・循環推進課
米子市糀町1丁目160
電話 0859-31-9350

鳥取市 環境局 生活環境課 生活衛生係管内の書類の提出先——住所で分かれます

鳥取市 環境局 生活環境課 生活衛生係が所管する区域でも、実際に相談・届出を受け付ける窓口は住宅の所在地によって 1 か所に分かれます。自分の住宅がどこに当たるかを先に確かめてください。

鳥取市 岩美町 若桜町 智頭町 八頭町(鳥取県東部圏域)

鳥取市 環境局 生活環境課
〒680-8571 鳥取市幸町71番地
電話 0857-30-8083

届出は「民泊制度運営システム」から

住宅宿泊事業の届出は、観光庁の民泊制度総合サイトにある民泊制度運営システムから電子で行うのが原則です。届出はインターネットの民泊制度運営システムでできるほか、書面でも提出できる。

鳥取県の公式案内・様式

消防への相談は届出の前に

届出住宅は消防法施行令別表第1(5)項イの扱いとなり、必要な設備を整えたうえで消防法令適合通知書の交付申請をする。収容人員が30人以上になる場合は防火管理者の選任・届出と消防計画書の作成が要る。

鳥取県での留意点

県別情報の最終確認日:2026年8月29日(出典:鳥取県および各市区の公式サイト)。この日より後の改正は反映されていないことがあります。着手前に各公式ページでご確認ください。

鳥取県の条例

鳥取県の条例——区域と期間の制限はあるか

鳥取県および県内の市・区には、住宅宿泊事業法 18 条に基づいて区域と期間を制限する条例はありません(2026年8月29日時点)。年間 180 日の上限は法律で定まっているため、条例が無くてもこの上限は変わりません。

住宅宿泊事業法 第18条(条例による住宅宿泊事業の実施の制限)

(条例による住宅宿泊事業の実施の制限)

第十八条 都道府県(第六十八条第一項の規定により同項に規定する住宅宿泊事業等関係行政事務を処理する保健所設置市等の区域にあっては、当該保健所設置市等)は、住宅宿泊事業に起因する騒音の発生その他の事象による生活環境の悪化を防止するため必要があるときは、合理的に必要と認められる限度において、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより、区域を定めて、住宅宿泊事業を実施する期間を制限することができる。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)(https://laws.e-gov.go.jp/law/429AC0000000065)/2026-08-29 取得時点
根拠法令等:住宅宿泊事業法(平成二十九年法律第六十五号) 第18条

条例の内容は要旨です。正確な区域・期間・除外の要件は条例本文をご確認ください。最終確認日:2026年8月29日。

要件

要件——住宅・管理・消防・建築

「住宅」であること

住宅宿泊事業を営めるのは、法律のいう「住宅」です。台所・浴室・便所・洗面設備がそろっていること、そして人の居住の用に供されていると認められることの二つを満たす家屋を指します。現に住んでいる家、入居者を募集している賃貸物件、別荘のように随時使っている家がこれに当たります。

賃貸や分譲マンションの一室で営む場合は、貸主の承諾管理規約に禁止の定めがないことを届出のときに確かめられます。規約に何も書かれていない場合は、管理組合に禁止の意思がないことの確認が要ります。

住宅宿泊事業法 第2条(定義——「住宅」と「住宅宿泊事業」・年間180日)(抜粋)

(定義)

第二条 この法律において「住宅」とは、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当する家屋をいう。 一 当該家屋内に台所、浴室、便所、洗面設備その他の当該家屋を生活の本拠として使用するために必要なものとして国土交通省令・厚生労働省令で定める設備が設けられていること。 二 現に人の生活の本拠として使用されている家屋、従前の入居者の賃貸借の期間の満了後新たな入居者の募集が行われている家屋その他の家屋であって、人の居住の用に供されていると認められるものとして国土交通省令・厚生労働省令で定めるものに該当すること。

3 この法律において「住宅宿泊事業」とは、旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号)第三条の二第一項に規定する営業者以外の者が宿泊料を受けて住宅に人を宿泊させる事業であって、人を宿泊させる日数として国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより算定した日数が一年間で百八十日を超えないものをいう。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)(https://laws.e-gov.go.jp/law/429AC0000000065)/2026-08-29 取得時点
根拠法令等:住宅宿泊事業法(平成二十九年法律第六十五号) 第2条

家主居住型と家主不在型——管理業者への委託

届出住宅に自分が住んでいて、宿泊者がいる間そこにいるなら、管理を自分で行えます。住んでいない物件や、居室数が一定を超える場合は、国土交通大臣の登録を受けた住宅宿泊管理業者に管理業務を委託しなければなりません。

委託先は観光庁が公表している登録業者の一覧から探せます。自治体によっては、管理業者が現地から一定の距離や時間の範囲に駐在することを条例で求めています三章

住宅宿泊事業法 第11条(住宅宿泊管理業務の委託——家主不在型)(抜粋)

(住宅宿泊管理業務の委託)

第十一条 住宅宿泊事業者は、次の各号のいずれかに該当するときは、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより、当該届出住宅に係る住宅宿泊管理業務を一の住宅宿泊管理業者に委託しなければならない。 ただし、住宅宿泊事業者が住宅宿泊管理業者である場合において、当該住宅宿泊事業者が自ら当該届出住宅に係る住宅宿泊管理業務を行うときは、この限りでない。 一 届出住宅の居室の数が、一の住宅宿泊事業者が各居室に係る住宅宿泊管理業務の全部を行ったとしてもその適切な実施に支障を生ずるおそれがないものとして国土交通省令・厚生労働省令で定める居室の数を超えるとき。 二 届出住宅に人を宿泊させる間、不在(一時的なものとして国土交通省令・厚生労働省令で定めるものを除く。)となるとき(住宅宿泊事業者が自己の生活の本拠として使用する住宅と届出住宅との距離その他の事情を勘案し、住宅宿泊管理業務を住宅宿泊管理業者に委託しなくてもその適切な実施に支障を生ずるおそれがないと認められる場合として国土交通省令・厚生労働省令で定めるときを除く。)

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)(https://laws.e-gov.go.jp/law/429AC0000000065)/2026-08-29 取得時点
根拠法令等:住宅宿泊事業法(平成二十九年法律第六十五号) 第11条

消防と建築——届出の前に通る関門

届出の前に、物件を管轄する消防署に相談して消防法令適合通知書の交付を受け、届出に添えるのが一般的な流れです。自動火災報知設備や誘導灯が要るかどうかは、建物の規模と使い方で変わります。市町村の火災予防条例で防火対象物使用開始届出書が要る場合もあります。

旅館業の許可を取る道を選ぶ場合は、建築基準法の用途が「住宅」から「旅館」に変わるため、規模によっては用途変更の確認申請が要ります。ここで工事費が積み上がることがあるので、物件を決める前に見ておくと安全です。

費用

費用——届出そのものにかかるお金と、かからないお金

届出そのものに手数料はかからない

住宅宿泊事業の届出に手数料はかかりません。民泊制度運営システムから電子で届け出れば、それ自体は無料です。

費用がかかるのは、旅館業の許可と特区民泊の認定です。いずれも自治体の条例で額が決まっており、簡易宿所の許可申請では22,000円としている自治体が多数派ですが、21,000円台から24,000円台まで幅があります(五章)。

実際にかかるお金の内訳

手数料以外に、次のようなお金が動きます。

鳥取県の簡易宿所営業許可の手数料

鳥取県では 22,000円(旅館業の許可申請1件につき) です(出典:鳥取県 中部総合事務所生活環境局「旅館業」許可申請の手続き(手数料:22,000円))。180日を超えて営みたい場合は旅館業法の許可。開設予定日の2週間前頃までに申請し、申請時に確認検査の日程を調整する。営業者の地位の承継承認申請は7,400円。

流れ

届出の流れと期間

流れは六段階

おおまかには、①物件と道の確認 → ②自治体への事前相談 → ③消防への相談と消防法令適合通知書の取得 → ④条例があれば近隣への説明など事前の手続 → ⑤民泊制度運営システムで届出 → ⑥標識を受け取って掲示、という順に進みます。

届出は全国共通の民泊制度運営システムから電子で行うのが原則です。法令で定められた添付書類に加えて、自治体の条例で求められる書類がある場合は、それも同時に出します。

住宅宿泊事業法 第3条(住宅宿泊事業の届出)(抜粋)

(届出)

第三条 都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区(以下「保健所設置市等」という。)であって、その長が第六十八条第一項の規定により同項に規定する住宅宿泊事業等関係行政事務を処理するものの区域にあっては、当該保健所設置市等の長。第七項並びに同条第一項及び第二項を除き、以下同じ。)に住宅宿泊事業を営む旨の届出をした者は、旅館業法第三条第一項の規定にかかわらず、住宅宿泊事業を営むことができる。

2 前項の届出をしようとする者は、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより、住宅宿泊事業を営もうとする住宅ごとに、次に掲げる事項を記載した届出書を都道府県知事に提出しなければならない。 一 商号、名称又は氏名及び住所 二 法人である場合においては、その役員の氏名 三 未成年者である場合においては、その法定代理人の氏名及び住所(法定代理人が法人である場合にあっては、その商号又は名称及び住所並びにその役員の氏名) 四 住宅の所在地 五 営業所又は事務所を設ける場合においては、その名称及び所在地 六 第十一条第一項の規定による住宅宿泊管理業務の委託(以下単に「住宅宿泊管理業務の委託」という。)をする場合においては、その相手方である住宅宿泊管理業者の商号、名称又は氏名その他の国土交通省令・厚生労働省令で定める事項 七 その他国土交通省令・厚生労働省令で定める事項

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)(https://laws.e-gov.go.jp/law/429AC0000000065)/2026-08-29 取得時点
根拠法令等:住宅宿泊事業法(平成二十九年法律第六十五号) 第3条

時間がかかるのは届出そのものではない

受理までの日数を気にする方が多いのですが、実際に日数を食うのは消防と、条例で求められる事前の手続です。近隣への説明や自治会への意見聴取を条例で求めている自治体では、届出に着手する前にその期間を見込んでおく必要があります三章

自治体によっては、窓口へ出向く前に電話予約を求めています二章

代行の頼み方

鳥取県で行政書士に代行を頼むには——探し方 3 つ

官公署に提出する書類を、報酬を得て業として作成することは、行政書士法が行政書士に認めた業務です。民泊の届出は自分で行うこともできますが、消防と建築が絡み、条例で求められる書類が自治体ごとに違うため、手間を減らしたい方には代行という選択肢があります。探し方は次の三つです。

行政書士法 第1条の3(行政書士の業務——官公署に提出する書類の作成)

第一条の三 行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。以下この条及び次条において同じ。)その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする。

 行政書士は、前項の書類の作成であつても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)(https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000004)/2026-08-17 取得時点
根拠法令等:行政書士法(昭和二十六年法律第四号)第1条の3

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※ 掲載順は口コミ数などに左右され、民泊への強みまでは読み取れません。事務所のサイトで住宅宿泊事業や旅館業の取扱い実績を確かめてから連絡するのが確実です。

③ 日本行政書士会連合会の公式検索で探す

日本行政書士会連合会「行政書士会員検索」の画面のスクリーンショット。氏名・登録番号・事務所の所在地から登録行政書士を検索できる

運営:日本行政書士会連合会(非アフィリエイト)

日本行政書士会連合会の公式データベース。氏名・登録番号・事務所の所在地(都道府県)から、全国の登録行政書士を検索できます。

「事務所から探す」で所在地に鳥取県を選ぶと、県内の行政書士事務所を一覧できます。広告ではない公式の名簿ですので、依頼を検討している事務所の登録確認(登録番号での検索)にも使えます。

行政書士会員検索で探す →

始めたあと

始めたあとの義務——標識・名簿・報告・180日

標識の掲示と宿泊者名簿

届出が受理されると届出番号が付き、届出住宅ごとに標識を公衆の見やすい場所に掲げます。宿泊者名簿を備え、宿泊者の氏名・住所・職業・国籍などを記載して保存します。

宿泊者には、騒音の防止やごみの出し方、火災のときの連絡先などを説明します。外国語を使う宿泊者には、その言語で案内することが求められます。

住宅宿泊事業法 第13条(標識の掲示)

(標識の掲示)

第十三条 住宅宿泊事業者は、届出住宅ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通省令・厚生労働省令で定める様式の標識を掲げなければならない。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)(https://laws.e-gov.go.jp/law/429AC0000000065)/2026-08-29 取得時点
根拠法令等:住宅宿泊事業法(平成二十九年法律第六十五号) 第13条

定期報告と180日の数え方

人を宿泊させた日数などを、定期的に都道府県知事(市や区が受け付ける地域ではその長)へ報告します。180日は、この報告で把握されます。

180日で足りなくなったときの答えは一つで、旅館業の許可を取るか、特区民泊が使える区域なら認定を受けるかです。日数の上限は法律が定めたもので、届出のままで超えることはできません。物件の稼働見込みが180日を超えそうなら、最初から旅館業を選ぶほうが結果的に早い場合があります。

住宅宿泊事業法 第14条(都道府県知事への定期報告)

(都道府県知事への定期報告)

第十四条 住宅宿泊事業者は、届出住宅に人を宿泊させた日数その他の国土交通省令・厚生労働省令で定める事項について、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより、定期的に、都道府県知事に報告しなければならない。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)(https://laws.e-gov.go.jp/law/429AC0000000065)/2026-08-29 取得時点
根拠法令等:住宅宿泊事業法(平成二十九年法律第六十五号) 第14条

住宅宿泊事業法 第2条(定義——「住宅」と「住宅宿泊事業」・年間180日)(抜粋)

(定義)

第二条 この法律において「住宅」とは、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当する家屋をいう。 一 当該家屋内に台所、浴室、便所、洗面設備その他の当該家屋を生活の本拠として使用するために必要なものとして国土交通省令・厚生労働省令で定める設備が設けられていること。 二 現に人の生活の本拠として使用されている家屋、従前の入居者の賃貸借の期間の満了後新たな入居者の募集が行われている家屋その他の家屋であって、人の居住の用に供されていると認められるものとして国土交通省令・厚生労働省令で定めるものに該当すること。

3 この法律において「住宅宿泊事業」とは、旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号)第三条の二第一項に規定する営業者以外の者が宿泊料を受けて住宅に人を宿泊させる事業であって、人を宿泊させる日数として国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより算定した日数が一年間で百八十日を超えないものをいう。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)(https://laws.e-gov.go.jp/law/429AC0000000065)/2026-08-29 取得時点
根拠法令等:住宅宿泊事業法(平成二十九年法律第六十五号) 第2条

変わったとき・やめるとき

届出の内容に変更があったときは変更の届出を、事業をやめたときは廃止の届出をします。管理業者を変えた、居室数が変わった、といった場合も対象です。

届出も許可も認定もないまま宿泊料を受けて人を宿泊させると、旅館業法の無許可営業になります。6月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金と定められています。

旅館業法 第10条(罰則——無許可営業)

第十条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 第三条第一項の規定に違反して同項の規定による許可を受けないで旅館業を営んだ者 二 第八条の規定による命令に違反した者

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)(https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000138)/2026-08-29 取得時点
根拠法令等:旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号) 第10条

Q&A

鳥取県の民泊 よくある質問

Q. 鳥取県で民泊を始めるのに「許可」は要りますか?
A. 住宅宿泊事業として営むなら、要るのは許可ではなく届出です(住宅宿泊事業法3条1項)。日数の上限なく営みたい場合は旅館業法の許可、特区民泊が使える区域なら認定になります。呼び名は違いますが、いずれも事前に手続を済ませてから営むという点は同じです。
Q. 年間180日を超えて営業したいのですが。
A. 住宅宿泊事業の届出のままで180日を超えることはできません。超えて営むなら、旅館業(簡易宿所営業)の許可を取るか、その区域で特区民泊が使えるなら特定認定を受けます。稼働見込みが最初から180日を超えるなら、旅館業を前提に物件を選ぶほうが手戻りが少なくなります。
Q. 賃貸マンションの一室でもできますか?
A. 貸主が住宅宿泊事業のための転貸を承諾していることが前提です。分譲マンションでは、管理規約に住宅宿泊事業を禁じる定めがないこと、規約に定めがない場合は管理組合に禁止の意思がないことを、届出のときに確かめられます。着手する前に規約を読み、管理組合に話を通しておくのが確実です。
Q. 鳥取県には条例による制限がありますか?
A. 自治体が条例で区域と期間を制限できる建て付けになっています(住宅宿泊事業法18条)。鳥取県の状況は三章にまとめました。条例は自治体ごとに違い、同じ県内でも市や区で内容が変わります。
Q. 自分で届出できますか。行政書士に頼むといくらですか?
A. 自分で届け出ることはできます。報酬の額は、依頼する範囲——届出だけか、消防や保健所への事前相談、条例で求められる近隣説明の書類まで含むか——で変わります。範囲をそろえて見比べるのが確実です。探し方は七章に三つ挙げました。